コラム177 ~はて?少し早いけど
いよいよ朝ドラ「虎に翼」が、カウントダウンに入ってきました。
先日、「虎に翼」の撮影が終わり(クランクアップ)、恒例のバトンタッチが行われていました。
次作「おむすび」(橋本環奈演じる栄養士の話)は、9月30日(月)から始まり、さらに次々作「あんぱん」も撮影開始となりました。
「虎に翼」は、法律問題、女性問題、差別問題(女性、LGBTQ、外人)、原爆裁判、学生紛争などの人権問題にまっすぐぶつかる非常に質のいい作品でした。(「ドラマ」ではなく、もはや「作品」です。)
「はて?」、「スンッ」など、作者(脚本)の吉田恵里香が紡ぎだす様々なパスワードや、セリフの面白さでファンの心をわしづかみにしています。
(主人公・寅子が頻繁に使う言葉。違和感や疑問を抱いたときの「はて?」や、言いたいことが言えずに空気を読んですましてしまう「スンッ」。)
「虎に翼」の魅力は脚本に加えて、多才なキャストの演技力あってこそで、多くの共感・感動を与えてきました。(名優が、盛りだくさんです。)
番組内では、今までにないくらいの多くの名言が見られました。
私が、一番感動したのは、主人公・佐田寅子の娘(優未)が、義姉(のどか)を蹴り飛ばしたことを、寅子の仲間に、「怒っちゃダメなの?」と相談したときのこと。
G(ゲイ)の遠藤が「怒っちゃいけないことなんてないよ」と一言。
「僕もね、許せない人や物事がたくさんある。
ずーっと怒ってる。
ただ、口や手を出したりするってことは、変わってしまうってことだとは覚えておいてほしい。
その人との関係や、状況や、自分自身も…。
その変わったことの責任は優未ちゃんが背負わなきゃいけない。
口や手を出して何の責任も負わないような人には、どうかならないでほしい」
と優しく諭しました。
遠藤の言葉が心に刺さった優未はその後のどかと仲直りするのですが、多くの視聴者(私)の心にも刺さりました。
その他、何人かの名言(私の気に入った言葉)を連ねてみます。
(「虎に翼」を見ていない人には、わかりづらいかもしれません。ごめんなさい。)
主人公・寅子(伊藤沙莉)
「法は弱い人を守るもの、盾とか傘とか暖かい毛布とか、そういうものだと思う。」
「法は正しい者を守るものだって、私は信じたいんです。」
「諦めたら、そこで終わりじゃないですか」
夫・優三(仲野太賀)
「やっぱり頑張んなくてもいい。
トラちゃんが後悔せず、心から人生をやり切ってくれること。
それが僕の望みです。」(出征する直前に、寅子(トラ)に対して)
みんな、素晴らしい共演者たちでしたが、私のお気に入りは、この二人です。
多岐川幸四郎(滝藤賢一)<「天国」のタッキー>
「法律っちゅうもんはな、縛られて死ぬためにあるんじゃない。人が、幸せになるためにあるんだよ。
幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。」
「君も正しい、俺も正しい。それでいいだろ?
ケンカほど時間の無駄はない。分かり合えない事は諦める!」
「桂場・・・それはお前・・・とびきりの愛じゃないか!」
「楽楽清算」のCMを見るたびに、ほっこりします。
梅子(平岩 紙)
「自分が幸せじゃなきゃ、誰も幸せになんてできないのよ、きっと」(落ち込む寅子の義姉・花江に)
「お互い誰かのせいにしないで、自分の人生を生きていきましょう。」(全てを放棄し、家を出る。)
「ごきげんよう!」